ワイド系ズームレンズ用ポートの画質
ワイド系ズームレンズには完全なポートの設計は困難!?

 デジタル一眼レフが登場して、ワイド系ズームレンズがもてはやされるようになった。というか、画角が狭くなってしまうデジタル一眼レフには、広角側の焦点距離が12mmとか17mmなどのワイド系ズームレンズが必須となってきている。水中でも、ワイドズームを使う人が増えてきているようだ。ワイドの画像も撮れるし、イルカなど接近できない時はズームを効かすなど、便利だということだが、画像を見ると、なんだかデジタルらしくない解像感の無い画像になっているような気がする。

 陸上でも、デジタル一眼レフとズームレンズにはどうしても相性が出てしまうようで、
フィルム用のレンズよりはデジタル専用
ズームよりは単焦点レンズ
の方が画質がいいようだ

 水中で問題となるのは、ポート。
水中ではハウジング内部の空気と水(正確にはポートのガラス)で屈折が起こるため、ポートのガラスがレンズとして働いてしまう。カメラのレンズの前にもう一枚レンズを付けたのと同じことになる。
マクロ系レンズや望遠系のレンズなら、光がほぼまっすぐに入ってくるので、平板ガラスで問題ないが、ワイドレンズの場合は平板ガラスでは画像に大きく影響する。
例えば、35mmフィルム換算で19mm相当のワイドレンズも、その前にフラットポートを装着すると、陸上で約100度あった画角が、屈折の影響で70度まで狭くなってしまう。おまけに画面周辺に流れたような収差がでてしまう。


 そこで、陸上と同様な画角と画質を得るためには、ドームポートを使うことになる。
このドームポートただ防水しているだけでなく、形状からも予測が付くとおり、まったくのレンズなのだ。ドームのガラスは、直径、曲率、板圧などが、カメラ側のレンズに合わせて設計される。
あるレンズに対して設計した場合、ガラスドームの中心付近と周囲では約1mm 板圧を変えなければならないという結果が出た。このガラスの製造は結構コストがかかる。

 キヤノンの15mmfisheyeレンズ用に設計したドームポートが、ニコンの10.5mmに光学的に合うかというと、解析してみないとわからない。もしかすると偶然合うかもしれないが
ニコンの16mm fisheye用のガラスドームが、デジタル用の10.5mm fisheyeに光学的に合うかどうかは、これまた解析しないとわからない。
ドームポートの前後方向の位置も重要だ。もしコンパクトデジカメ用のワイドコンバージョンレンズを持っていたら、それを目に当てて見てください。レンズを前後させるとピントが合って全体がくっきり見える位置があります。そこからほんの少しレンズを前か後ろに動かしてみてください。周囲の画像がぼやけたり流れたりするはずです。
同じようなことがドームポートにも言えるのです。CCD面からドームポートまでの距離が変わると画像の歪みも変わってしまう。なんでもいいからドーム状のポートを付ければいいのかというとそうではないのです。

ズームレンズはもっと最悪の結果になる可能性が高い。
ドームの形状を ワイド端 テレ端 中央 どこに合わせて設計するか
ワイド端にあわせて設計したところ、テレ端ではピントが合わなくなるといったことも起こる可能性がある。

フィルムではそれほど感じなかった画像の乱れが、デジタルではハッキリ出てきてしまう。
技術者泣かせのデジタルなのだ